米寿の母と「第二回冥途の土産旅行」に行ってきた(4)

こんにちは。今日も楽しいマキオカです。

今回の旅の一番の目的だった今井権現の参拝を無事終え、ホッとしたわたし達。
南海日日新聞社と奄美新聞社の記者さん達と別れ、ソテツの群生地を下り、海に出る。

それにしても安木屋場のソテツが群生する様は圧巻だ。

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奄美ではその昔、ソテツを飢餓のときなどに食料としたり、繊維は芭蕉衣(バシャギン)と呼ばれる着物にしたという。
ソテツは幹や実からデンプンをとる救荒植物としても利用され、また土砂が流出しないための畑の土止め用に、葉は大島紬を染める泥田の鉄分補給用に、薪や肥料、あるいは花籠や子供のおもちゃにと幅広く活用されてきたらしい。

実は、奄美に行きたいというお電話を鶴先生にさせて頂いた際、「奄美のユタ神様にお会いしたい」というお願いをしておいた。
わたしは以前から奄美のユタ神様に一度お会いしてみたいと思っていた。
去年もお願いしてみたが、急な申し出だったので予約が取れず、叶わなかったのだった。

奄美諸島には古くから「ユタ」と呼ばれる民間の巫女・シャーマン(霊媒師)が存在する。
ユタのほとんどは女性で、運勢の吉凶を見たり、死者の口寄せ、先祖事などの霊的相談に応じ占いを行うが、今では本当に占えるユタ神様は少ないという。

地元の方から「ユタ神様とはどんなに会いたいと思っても、会えない時は会えないし、神様がお言葉を伝えたい時には不思議とご縁ができる」という話を聞いた。
今回予約が取れたということは、何か神様から伝えて戴けるということか?

黒糖焼酎、塩を購入し、島のほぼ最北端にある集落に向かう。
海に面した防波堤の前に、ユタ神様のご自宅はあった。

狭い路地に赤い鳥居がひっそりと立ち、ひときわ異彩を放っている。

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鶴先生とOさんは、何かあるとこちらのユタ神様にお伺いに来るという。
勝手知った様子で奥の方に入って行き、地元の言葉でご挨拶をしている。

奥に待合室になっているらしい8畳ほどの和室がある。
「そういえばトイレに行きたいんだった。トイレはあの廊下の先だろうか?」と思っていると、ユタ神様が「中へどうぞ。」と声をかけてきた。

「ど、どうしよう。」とうろたえているうちに祭壇のある部屋に通された。
トイレの場所なんか聞けない雰囲氣だ。
祭壇の横には芸能人と一緒に写った写真が飾られている。

ユタ神様がいろいろなものがお供えしてある神棚に白衣を着て座ると、携帯電話が鳴った。
予約の電話らしいが、断っている様子。

ユタ神様が祝詞を唱えると、再び電話が鳴った。
奥でご家族の方が対応している。
どうやらとてもお忙しいらしい。

ユタ神様が「見てもらいたい方の名前、生年月日、干支を言ってください。」と仰った。
ここはやはり米寿の祝いの母から。

「あなたの家のそばに三叉路があるでしょ。ほら、そこを入ったところがあなたの家だね。」
うーん、母の家のそばに三叉路はない。
「あなたは結構引っ越しをしてるね。」
してないが。
「昔住んでた家のそばにお店があったでしょ。」
ない。
「近いうちに旅行の予定があるね。」
ありません。

首を傾げ出した母。
うーむ、どうしたものか。

「あなた、血圧が低くて器官が弱い。きれい好きだね。」
そうそう。
「精神年齢は60歳だ。」
ほほう。
「孫でひとり飛び抜けている人がいる。その行く末を見ないとね。」
誰?ふんどし息子か?

母はユタ神様に「あなた、百歳以上生きるよ。」と言われると「いやー、皆に迷惑かけるからそんなに長生きしなくていいわ。」と答えながらもうれしそう。

次はふんどし息子の番。
が、この頃になるとわたしの膀胱に赤信号が点り始めた。

「うん、この子は万人を率いる人になるよ。」
え?
「人に変な逆らい方をしないし、万人を惹きつけるところがある。」
・・・そうか?
「人の上に立つようになる。でも、もう一つ資格が足りない。」
そうなの?
「学士を取るね。博士になる。」
それはスゴイ。

でも、今はトイレに行きたい。

「お母さん、この子は小さい頃、口がはっきり開かない時があったでしょ?はっきり言えなかったね。霊が言わせなかったんだ。」
げこっ!
確かに小さい頃、思ったことをなかなか言えない様子があったが。

「素直で夢遊病の氣があったね。あなた、お尻がムズムズする時があったでしょう。それは霊が這いずって来ていたんだよ。」
ぎょっ、そうなの?

一瞬、尿意が吹き飛ぶ。
ふんどし息子の方を窺うと、口を半分開け、真剣な眼差しで聞き入っている。
「とにかく仕事を一途にすればいい。」と言われ、満足そう。

「で、結婚相手はどうなんでしょう?」と、聞いてみる。
「誰とでも仲良くできる、氣の利く人がいい。顔は二の次だね。」と、ユタ神様はいろいろお話してくださる。

しまった。
ふんどし息子の嫁のことなんて聞かなきゃよかった。
どうでもいいから、早く終わらせてトイレに行きたい。

次はいよいよわたしの番。
でも、今はあれほど楽しみにしていたユタ神様のお話よりも、とにかくトイレに行きたいんだよう。

「この人は上品な人だね。」
そうなの?
頭の中はトイレの事でいっぱいなんだが。

「息子と友達みたいな関係だね。息子と波長を合わせるために20歳の精神年齢でいる。」
うぅ、膀胱が限界に近付いている。

「大きな病氣はしないよ。両親に感謝しないといけない。」

ぐぬう・・。
汗ばむ手を握りしめるわたし。

わたしの心の叫びを聞きつけたのか、ユタ神様はわたしの鑑定をあっという間に終わらせた。

お礼を述べ、さり氣ない風を装いながらトイレに直行する。
あー、危なかった。

それにしても、今回ユタ神様のお話を伺い、一番納得の表情を浮かべていたのはふんどし息子だった。
帰りの車中で「これから仕事頑張る!」と、鼻息荒く語っていたし。
してみると、神様からのお言葉が一番必要だったのはふんどし息子だったか。

母はと言えば「百歳まで生きるって言っても、あと12年しかないのよねえ。」と、百歳まで生きる氣満々なのでした。

つづく

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気が付いたらキャンプ場をやっていたマキおかんです。

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