母と「第一回冥途の土産旅行」に行ってきた(5)

こんにちは。今日も楽しいマキオカです。

桜の花もすっかり散ってしまい「お名残惜しい」という氣持ちを一年のうちでこれほど強く感じる季節があろうか、と思う今日この頃、皆様どのようにお過ごしでしょうか?

わたしはここのところ、あまりに時間の過ぎ去り方が早くてオソロシイ。
奄美に行ったのはほんの1か月前のはずなのに、体感的にはもう半年は過ぎた感じ。

旅行中のあれやこれやも忘却の彼方に消えてしまいそう。
そして体重は一向に戻る氣配がないのは、どうしたことであろうか・・。

それはともかく。

加計呂麻の5マイルでは、大満足の夕食に加え、美味しい朝食も堪能した母。
当初はレンタカーで加計呂麻を巡ろうと考えていたのだが、お腹いっぱいの母の様子を見ているとそれも無駄に思え、急遽奄美本島に戻ることにした。
オーナーの奥様のRさんにご相談すると、9時20分の海上タクシーで行くといいと教えて下さり、港まで送って下さることに。
わたし達と小さなお子さんお二人を車に乗せ、港に向かった。

すでに数名の方が、海上タクシーに乗るために港で待っている。
ブロックに座っていた年配のおばちゃん二人がRさんのお子さんに声をかけた。
「ちょっと見ないうちにすっかり大きくなったね。」という言葉を皮切りに、日常の会話が続く。
聞いていると、皆さん顔見知りで地域全体で子育てをしている様子が窺える。

いいなあ、こういうの。

おとうは海で漁に出たり、大工仕事をやる。
おかあは畑で野菜を作ったり、お洗濯をしたり、美味しいご飯を作る。
子ども達は兄弟と庭先で遊んだり、親の手伝いをして過ごす。
隣近所は皆氣心が知れていて、子どもが悪さをしようものならしっかり叱ってくれる。

そりゃ住んでいれば面倒なこともあるだろうし、息苦しくなることもあるだろう。
いいことばかりじゃないのは分かってはいるが、それでもやはり憧れる。

わたし達はこういう生活を捨て、一見便利で自由な生活を手に入れたようにみえる。
が、いったい「自由」とはなんだろう。

横着で怠惰になることか。
自分だけ、今だけよければいい、という近視眼的生き方をすることか。

そうこうしているうちに海上タクシーが岸壁に着いた。
とにかく母を乗せなければ、と荷物を港に置き母に手を貸すが、足元の不安定さに母は足がすくんでしまう。
すると港にいた男性がさっと支えてくれたかと思うと、一緒に母を乗せてくれ、氣が付くと別の方がすでに荷物を船に載せてくれていた。
そしてお礼を言う間もなく、何事もなかったかのように席に着いた。

ありがたしっ!

島の人たちは皆、とても優しい。
ここの人たちには、わたしが子どもだった頃の町の人たちと同じ雰囲氣がある。
ここには、人が生来持っている「良きもの」を引き出す空氣が流れているように思う。

しばらくして海上タクシーは古仁屋港に着き、再び皆さんのお力添えで無事岸に上がることができた。

「せとうち海の駅」でお土産を買い、売店のおばちゃんの「とてもきれいなところですよ。」という言葉に従って、ホノホシ海岸とヤドリ浜に車を走らせた。

風光明媚な景色が続く。
が、母の表情はいまいち冴えない。
車を停めて景色を見ようと言っても「車の中から見えるからいい。」と言って降りないところを見ると、もう南国の景色には飽きてしまったのかもしれない。

あー、無理して加計呂麻でレンタカーを借りて観光しなくてよかった。

母がトイレに行きたいというので、早々に「せとうち海の駅」に戻る。
まだ11時半前だ。
これからゆっくり今日の宿に向かえば、母もそんなに疲れないだろう。

杖をつきながら「せとうち海の駅」を見て回っていた母が、2階のレストランの前で動かなくなった。
じーっとショーケースとメニューを交互に見ていたかと思うと「昨夜の伊勢海老、美味しかったわあ。ここにも伊勢海老汁があるのね。でもこれを食べるには刺身定食を頼まなきゃならないのかしら。」と言い出した。

ウソでしょ?
朝食をとったのは8時だから、わたしは全然お腹空いてない。

「でも、まだ11時半だよ?」
「いいじゃない。お腹空いちゃったわ。これからどこでお食事をとれるか分からないし。」

ため息を押し殺しつつ聞いてみる。
「じゃ、お母さん、伊勢海老汁のついている刺身定食でいいのね?」
「わたし、昨日ここでカレーを食べている人を見ていて、カレーが食べたいと思っていたの。だからカレーにするわ。」

・・・ということは、わたしが刺身定食をとらなきゃいけないワケね。
とほほ。
お腹、全然空いていないんですけど。

昨日から食べたかったという言葉に違わず、しっかりカレーを平らげ、伊勢海老汁、刺身も戴いた母。

いったいこの健啖ぶりはどうしたことか。

訝しみつつ古仁屋港を後にし、奄美の誇る孤高の画家、田中一村の終焉の家に寄ったり、スーパーでお土産を買ったりしながら今日の宿泊するティダムーンに3時ごろたどり着いた。

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最終日だから奮発して、温泉、プール付きで海が一望できるちょっといいホテルにしてみた。

                            IMG_1278_convert_20160413165014.jpg


ホテルの部屋で一息つき、母と売店に向かっていると。
ん?
何やら違和感が。

母が「あら?杖を部屋に忘れてきちゃったわ。」と呟いた。
驚いたことに、確かにバッグだけ持ってシャカシャカと歩いている。

クララが立った!
じゃなくて、杖なしで母が歩いた!

昨日まで、杖がなければ不安そうだったのに。
そして杖をついてもゆっくりとじゃなければ歩けなかったのに。
忘れちゃうくらい、しっかり歩けるようになったってことか。

今井権現の鳥居を出た途端、母が「うん、大丈夫って言われた。」と叫んだことを思い出す。
こういうことであったか。

母と顔を見合わせ、にやりと笑い合う。

母は奄美に来るべくして来たんだね。
よかった。
本当によかった。

奄美の神様、本当にありがとうございました。

ちょっぴり親孝行ができた氣がして、嬉しくなったわたしなのでした。

つづく





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気が付いたらキャンプ場をやっていたマキおかんです。

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