母と「第一回冥途の土産旅行」に行ってきた(3)

こんにちは。今日も楽しいマキオカです。

初めての奄美の夜を上機嫌で過ごし、朝を迎えた母。
今日は母のたっての希望で「聖地のような雰囲氣」の今井権現に再び参拝させて頂きたいとOさんと鶴先生にお願いし、連れていって頂くことになっている。

ただ、今井権現の石段はあまりに険しく、杖をついてもふらつくような母には社殿まで登るのは難しいので、鳥居をくぐらせて頂いた先でお詣りさせて頂くことにした。

朝食を終えた頃、Oさんと鶴先生がお迎えに来て下さり、前回Oさんとふんどし息子が海に入ってふんどし禊をした海の禊場に向かう。

歩きにくい岩だらけの砂浜で、杖をついた母に手を携え、いろいろお話をしながら海に連れて行ってくださる鶴先生。
まるでワガママな姑に優しく仕える日本昔話に出てくる、できた嫁のよう。

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「ありがたや」と二人の背後で手を合わせるわたし。

わたし達は波の花をすくい7回降り掛け、口を漱いで禊を終える。
Oさんはと見ると、離れたところで頭まで海に入るふんどし禊をされたらしい様子。
浜で砂を集めた45リットルのビニール袋を2袋車に乗せ、今井権現に向かった。

母を車に座らせ、前回同様皆で掃除を始める。
そしてビニール袋の白砂を鳥居の前に撒いた。
雨で土が流れてしまうので、こうして浜から砂を持って来て撒くらしい。

準備が整ったので、母の手を引き一緒に鳥居をくぐる。
今井権現は三拝三拍手一礼でお詣りをするとのこと。
Oさんが母とわたしを今井権現の神様にご紹介してくださる文言を述べてくださった。

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鳥居を出た途端、母が「うん、大丈夫って言われた。」と叫んだ。

え、マジで?
そ、そりゃよかった。

実は母は幼少より不思議な体験を多々している。
だからこんなことを言い出しても不思議でもなんでもないんだが、あまりに唐突だったのでちょっと驚いた。
つらつら考えるに、わたしの不思議好きはこの母によるところが大きいのではないか、と思う。

無事参拝を終え車に乗り込み、しばらくしてから母が「3段までなら登れるような氣がするわ。」と言い出した。

「登れるような氣がするわ。」って、あんた・・。
参拝中に言ってくれれば手助けしながら階段を登らせることもできただろうが、もうかなりの距離車を走らせてしまっているし、今日のスケジュールを考えると戻るのは無理だよ。

「参拝してる時に言ってくれればよかったのに。」と言うと「今そう思ったの。」と言い張る母。
名残惜しそうな母に「じゃあまた今度来て登ったらいいよ。」と宥めた。

Oさん達はわたし達にマングローブの観光遊覧船を提案してくださった。
ご自分たちも用があるからと言って、一緒に行って下さるとのこと。

途中知り合いの畑から枝付きのたんかんを採って下さったりと、とっても親切なお二人。

そんな中で母を最も喜ばせたのは、Qさんがさりげなく下さった色とりどりの数個の貝。
たぶん生まれてこのかた殿方にそんなものをもらったことのなかったであろう母は、少女のように頬を染め、矯めつ眇めつ貝を眺めた挙句「この貝、リビングに飾っておくわ。」ととっても嬉しそうに呟いた。
(この間母の家に行ったら確かに飾ってありました!)

よかったね。
冥途の土産、ひとつ増えたね。

Qさんの運転で名瀬まで行き、レンタカーに乗り換えたわたし達をマングローブ茶屋まで案内して下さった。

マングローブとは、特定の植物の名前ではなく、熱帯や亜熱帯地域の河口など、満潮になると海水が満ちてくるところに生えている植物をまとめてマングローブと呼ぶらしい。
南方系の樹木約30種以上が混成し、野鳥の宝庫となっているとのこと。

連れて行って頂いた高台のマングローブ茶屋から眺めると、くねったような川の帯に沿って緑がジャングルのように広がっている。

小さな遊覧船に乗り込むと、ガイドの男性がゆったりと河の流れに掉さしていく。

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「天然リュウキュウアユや天然記念物のルリカケス・アカヒゲ・リュウキュウアカショウビン等も生息している」とか「エンジンのある船は使用できない」といった地元のガイドならではのお話をききながら、船の揺れに体をゆだねる。

ピピピ、チイ、と小鳥の囀りが間近で聞こえる。
ピシャンと川面に魚が跳ねる。

マングローブのトンネルが現れたが、時にはあまりに近過ぎて、身体を船に押しつけなければならないほど。

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1時間弱の遊覧が終わる際、マングローブ茶屋に「うなぎ」の幟が掛かっていたことを思い出し「ここで天然のウナギが捕れるんですか?」と尋ねたところ、本当に捕れるんだという。

昔からウナギが好きだったが「近ごろは天然のウナギが高くて以前のようには食べられない」とボヤいていた母はこれを聞きつけると「今日のお昼は、ここで捕れた天然ウナギにしよう。」と目を輝かせた。

まだお昼ってお腹じゃないんだけど、ま、いっか。

マングローブ茶屋に戻るとOさんと鶴先生が昼食を終え、お茶を飲んでいらっしゃるところだった。

メニューを見ると「天然ウナギ」のお料理は2種類あり、ひとつは九州産の鰻重、もうひとつはマングローブで捕れたウナギ(味噌味)とあり、両方とも1800円とある。

ウナギの味噌味?
どんな味なのか、想像がつかない。

母はここで捕れたというウナギが食べたいと言い、味噌味のウナギを注文した。
・・・危険信号がわたしの胸に点滅する。

天然もののウナギを食べるためとはいえ、これはあまりに危険な賭けなのではないか。
リスク回避のため、わたしは鰻重を注文する。

あにはからんや、母は味噌味のウナギを一目見た途端、箸の先で味噌の味見をしただけで、わたしの目の前に寄こした。

これは・・ウナギ?
どちらかというとサバの味噌煮のような見た目だが。

肉厚の味噌ウナギを前に沈黙するわたし。

「あのー、もしよろしかったら一緒に召し上がって頂けますでしょうか?」と目で鶴先生に救いを求めつつお願いすると、鶴先生は「ウナギの味噌味って、初めてだわ。」と仰って菩薩のような微笑みを返して下さり、一緒に食べてくださった。

やっと味噌ウナギがなくなったと思ったら、後から来た鰻重を半分ほど食べて、またもやわたしに寄こす母。
こちらは蒲焼きというよりは、甘辛い醤油タレに漬込まれたぶ厚いウナギがご飯の上に乗っているというシロモノ。
仕方なく、またしても黙々と箸を動かすわたし。

でも。
もうこれ以上、無理っす。
3600円分のウナギ、重いっす(涙目)

わたしの記憶にはマングローブ≒恐怖の味噌ウナギ&甘辛醤油タレウナギの方程式が深く深く刻み込まれたのでした。


つづく
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気が付いたらキャンプ場をやっていたマキおかんです。

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