古事記古古道 体感ツアーに行ってきた(18)

こんにちは。今日も楽しいマキオカです。

天照大御神のお生まれになった場所だという賀志波比賣(かしわひめ)神社を後にしたわたし達。

Mさんは、「竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘の小門(をど)」に案内して下さると仰る。
え?祓祝詞に出てくるあの場所に?

古事記によると、黄泉の国を逃げだした後、イザナギは、「竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘の小門(をど)の阿波岐原(あわきがはら)」で禊ぎ祓いをすると、天照大御神と月読命と須佐之男命が生まれた。

少し車を走らせると広々と農地が広がっている場所に出た。
このあたりが「竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘の小門(をど)」である、とMさんが仰る。

「竺紫の日向」といえば九州の日向(ひゅうが)と単純に宮崎県のことと考えてしまう。

『しかし,古事記をよく読むと,竺紫は「国生み」の箇所では,九州を筑紫国と書いている。
竺紫(つくし)と筑紫,あきらかに書き換えている。
「竺紫の日向」と続く時は,「竺」の文字を使っている。
「竺紫の日向」とは,九州の事ではない。
それでは,「竺紫の日向」とは,どこにあたるのだろうか。』

「筑紫」かと思ったら「竺紫」なんですね。

『古事記は,最初「国生み」から始まる。
「国生み」は,阿波から始まり,淡路島・四国・九州へと広がっていくのだが,神武天皇が畿内に入るまでは,四国が一番東の地域であった。
西につきた島を九州と呼んでいるのだから,「ツクシ」とは,つきるという意味である。』

つくし・・尽きる、ね。

『日向(ひむか)とは,ヒムカ・ヒムカシ・ヒンガシ・ヒガシと変化してきた言葉で,東という意味である。すると「竺紫の日向」とは,「東につきた所」という意味になる。
 神武天皇が畿内に入り,国の領域が広がる前の国の一番東につきた地域は,四国の最東端に位置する徳島県阿南市である。
その阿南市にある橘湾周辺は,イザナギのミソギをした「竺紫の日向の橘」と考えられる有力な所である。』

おお、そうなりますか。

『「小門(をど)」の「と」は,鳴門,瀬戸など「と」は,狭い地域を指す言葉である。つまり,古い時代は,55号バイパスの走る附近は,狭い海峡となっていた。
「小門(をど)」の「と」は,鳴門,瀬戸など「と」は,狭い地域を指す言葉である。』

そうだとすると、この辺りでイザナギの命が禊ぎ祓いをし、天照大御神と月読命と須佐之男命がお生まれになった?

神社でよく奏上される「祓祝詞」の舞台が目の前に広がっているのに感極まったのか、突然ふんどし息子が興奮した様子で「ここで禊ぐ!」と叫んだ。

禊ぐって、あんた・・。

近くには打樋川(うてびがわ)が流れている。
どうやらそこで禊をしたいと思ったらしい。

でもそこはのどかに農地が広がっているとはいえ、車も往来しているような場所。
こんなところで大の大人が裸になり川で水をバシャバシャやっていたら、確実に不審人物に思われるちゃうじゃないですかぁ!

「禊ぐのは止めないけど、やるんなら近くに海があるんだからそこでやればいいじゃん。」と、なんとか阻止しようとするわたし。
海なら変なオトコが裸になっていても、それほど驚くにあたらない。

「いや、「竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の小門(おど)の阿波岐原(あはぎはら)」でやることに意味があるんだから、あそこでやる!」と、断固として言い張るふんどし息子。

ぬう、こいつは変なところで頑固だから、言っても聞かないに違いない。

Mさんの眼鏡の奥の目がキラリンとが光る。
表情に出さねど面白がっているのが分かる。

仕方がない。
しぶしぶ禊ができるところを探す。

工場の駐車場に車を停めさせてもらい、船着き場になっているらしい川岸に行く。

幸い辺りに人影はない。
あんなに「禊ぐ!」と言い切った割に、恥ずかしそうにコソコソと服を脱ぎだすふんどし息子。
見ているこちらの方が恥ずかしくなり、辺りをキョロキョロ見回してしまう。

別に悪いことをしている訳ではないのに、何故かコソ泥のような風情に。

ふんどし一丁になった息子が、恐る恐る川につま先を入れる。
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禊ぐ、と言ってもこの川、川幅は20メートルほどで川底が見えないくらい濁っている。
だから深さも分からないし、川底の状態も分からない。

Mさんが「この川、あんまり綺麗じゃないですからね。」と言うと、ふんどし息子は「インドに行ったときガンジス川に入りました。あそこに比べれば、全然大丈夫ですっ。」などと強がりを言う。

そうだった。
こいつはインドに行った時にも沐浴をすると言い張り、止めるのも聞かずにやった後、誇らしげに「なんともなかった。」とメールをよこしたんだった。
ガンジス川はその汚れのすさまじさに、入っただけで皮膚に異常が出てしまう人もいるというのに。

どんだけ禊ぐのが好きなんだ?
禊がなきゃいけないことがヤツの人生でどんだけあるんだ?

「あ、足元に何かいるっ。何かに肌をつつかれてるぅ!」と、不安げに叫ぶふんどし息子。
「何かいるんだけど。何かが足をつつくんだけど。何?何?・・あ、やだ。」と変な声を出し怯える。

・・それにしても、このシチュエーション、オモシロイ。
そう、いつもながら面白いことに目のないわたしは、さっきまで止めていたのがウソのようにテンションが上がりだした。

こんな面白いもの、写真を撮っておかねば。
バチバチと撮り、ダッシュで橋まで駆け上がり、再び写真を撮る。

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うひゃひゃ、こりゃ面白い。
ふんどし息子よ、悪魔に魂を売り渡したようなオモシロ好きの母を許せ。

Mさんも嬉しそうに写メを撮っている。
どうやらすぐにフェイスブックに載せた模様。

そんな自分の立場を知ってか知らずか、ふんどし息子は祓祝詞を奏上すると、體に水をバシャバシャと掛け出した。

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こんなに濁った水をかぶるとは、こいつもなかなかやるもんだわい。
二ヤつくわたし。

が、禊終わって川から上がった息子は、體を拭くタオルがない。
仕方なく下着のシャツで拭く。

ふと、剣山で出会った白装束に白い鉢巻姿のおばさま達を思い出す。
あの方たちも祝詞を読み上げていた。
白い鉢巻をしたおば様方を見たとき、ギョッとし遠巻きに見ていたのだが、今はまさに見られる立場。

「あんまり関わり合いにならない方がいい人達」って思われちゃうんだろうな。

ま、面白いから、いっか。
旅の恥はかき捨て。

そのままホテルに直行する。

このホテル、実はFBFのOさんのご親戚が経営しているところとのことで、予約もお願いした。
お部屋に行ってみると、クラシカルでとっても立派。

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ありがたし。

夕食はMさんとOさんもご一緒して頂くことになっている。
ラウンジで初めてお会いするOさんを待つ。
FBの写真を拝見すると、お着物をお召しになっていて、撫子のような風情の方と想像する。

自動ドアが開き、一人の女性が入ってきた。
おお、あの方?

にこにこと素敵な笑顔で颯爽と現れたリアルOさんは、撫子というよりは向日葵のような雰囲気の方だった。

ホテルで4人でお食事をさせて頂いた。
Oさんは氣を遣って下さり「ここの鳥の唐揚げが美味しいんですよ。」と、別に注文して下さった上、お土産まで戴く。
なんて太っ腹で親切なんだ。

Oさん、その節は本当にありがとうございました!

お食事後、コーヒーを戴きながらMさんから古事記のレクチャーを受ける。
OさんとMさんのやり取りを拝見し、Oさんの人をそらさないお話の仕方や対応に「この方はきっと阿南市のおじ様方のアイドルに違いない。」と確信する。

こうして古事記に始まり古事記に終わった、長くて濃い一日が終わった。

ベッドに入り、ふと思う。
「筑紫(つくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の小門(おど)の阿波岐原(あはぎはら)」と意識して、あそこでふんどし姿で禊をした人間って、今まで何人いたのか?

古代はともかく近代はそんなにいないに違いない。
そうだとしたらあの禊、結構スゴイことだったかもしれぬ。

あー、わたしも男だったらふんどしで禊いでみたかったかも、と心から残念に思ったわたしなのでした。


つづく
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気が付いたらキャンプ場をやっていたマキおかんです。

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