キャンプ場の作り方(20)

こんにちは。今日も楽しいマキオカです。


葡萄棚を必ず動かす、と約束してくれた猿男。

3月、4月になり、5月になっても、動かない。

何故?

猿男の言葉を信じて、既にいろいろなことが動き始めています。


わたし達は再び猿男の家に行きました。

猿男はまた同じような言い訳を繰り返します。

ぶちっ。

わたしの中の何かが切れた音が聞こえました。

たぶんわたしの顔色は大魔神のような緑色だったに違いありません。


そう、大魔神。

子供の頃、映画館で見た大魔神は、村人がひどい目にあっても、耐える。

耐えて、耐えて、もう村人が、磔になって火をかけられそうになるまで耐えて、もう、辛抱たまらん、という状態になって、やっと埴輪顔が、ちょっと怒気を帯びたように見え出す。

そんでもって、きれいな村娘が、「おねがいしますっ。お助け下さい!」と両手を合わせ、子供が「姉ちゃん!」なんて叫ぶと、俄かに両腕をゆっくり顔の前で持ち上げる。

そうすると顔色は緑色になっていて、埴輪顔は急にリアルな怒りっぽい大工のおっちゃんのようになり、岩をガラガラと崩しながら、歩き出すんだよね。

悪代官や、悪い侍をなぎ倒し、踏み潰し、村人を救う大魔神。

いやー、すっきりしました。あの時は。

でも、なにゆえに緑?

まぁ、赤だと見方によっては焼酎の飲み過ぎみたいに見えそうだし、青だと貧血気味に見えなくもない。

うん、やっぱり緑だな。

でもって、お約束の村娘はやっぱり必要だよね。

ばぁさん達は、後ろで「なんまんだぶ。」とか言ってる方が、似合ってるしな。

今思うに、大魔神は日本人の精神性を如実に表しているっ!

なんてことを考えてる余裕など、もちろんあるはずもなく。



何かが切れたわたしは、後から畑にいる猿男のところに、一人で話しに行きました。

「去年の秋、今年必ず動かして下さると約束して頂きましたよね。何故約束を守って下さらないのでしょうか?」

「そんなこんを言った覚えはない。」

すっとぼける猿男。

ぶつっ。

さらにわたしの中で何かが切れる。

「あなたを信じてわたし達もいろいろ準備を進めてきました。それでは、どうしたら、動いて頂けるのですか?」

「動かす気なんてねぇよ。どっちにしてもこの春はもう無理だ。それに、あそこはまだ農地だ。地目変更もさせねぇし、あんなとこにキャンプ場なんてできるわけもねぇし、させねぇだ!」


夕暮れのトマト畑でにらみ合うアラフォー女とじじい。

初夏の風が二人の間を吹き抜けるのでした。


あ、あんまり美しくない!


つづく






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気が付いたらキャンプ場をやっていたマキおかんです。

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