妙見山に行ってきた(3)

こんにちは。今日も楽しいマキオカです。

前回は失礼いたしました。
牧丘町のあまりの借金の多さに、自分を重ねてつい我を忘れてしまった。

歳を取ると怒りっぽくなって、ほんと、イヤ。
こんなことで脳梗塞になったらご先祖に申し訳ない・・。
気を付けよう。

とにかく「熊注意」の標識のあるゲートをくぐったわたし達。
しばらく林道が続く。
周りを見回すと、伐採された斜面に杉が植林され、大規模な工事をした様子。

てくてく歩く中年のオンナと初老のオトコ。
他に人影はない。

10分くらい経って、犬キヨが「何だ。上りばっかじゃねえか。」とボソッと言い出した。
そりゃそうだ。山だもん。

また5分すると「まだ上りが続くのか。」と言う。
そりゃ続くよ。山だもん。

また5分後「オレはこんな上り坂、歩いたことがない。足、痛てえ。」と情けない声を出す犬キヨ。
・・え?もしや犬キヨ、あんた、歩くのが苦手なヒト?

しょうがないので15分おきに休憩を取ることにした。
それでもブーブーと文句が多い犬キヨ。

暫く行くと右手に、重ねられた古い石と説明書きがある。

                 妙見山 石碑

読んでみると
『戦国時代武田氏に仕えた信州川上の城主の姫が夫を慕って中牧城に来たが、城は信長の軍勢に陥落され、夫は討ち死に嘆き悲しんで盲目となり、川上村に帰る道に迷いてこのところに死す。』
とある。

「帰る道に迷い」姫は最期に何を考えたのか。
従者と共にこの道を嘆きながら歩く妙齢の佳人。
夫を想いながら、姫はここでたよたよと倒れ込む・・。

それにしても。
こういうところに「姫」と書いてあるとすっごくたおやかで美しい女性を想像してしまうが、姫といっても千差万別、十人十色。・
不細工で太った髪の薄いおばさん姫もいたに違いない、と下らないことを考えながら歩くわたし。

犬キヨの愚痴がわたしの想像をかき消す。
「足が痛い」だの「胸が苦しい」だのと言うのを宥めながら歩いていると、向こうからお年寄りのご夫婦が乗った軽トラが来た。
車を停め、妙見山への行き方を聞くと「まだ大分あるなぁ。まぁ、今日一日かければいいずら。」との返事。

絶句する犬キヨ。

そういやわたし、ルートは調べたけどコースタイムをチェックしていなかった。
近くにある山だから舐めてかかって、ほんの2~3時間で下山できると高をくくっていた。

ごめん、犬キヨ。
チャランポランな妹を持ったのが不運と諦めてくれ。

喉元まで「荷台でいいから乗せてってくれ。」という言葉が出かけているのが手に取るようにわかる犬キヨ。

下って行く軽トラを名残惜しそうに見つめる犬キヨを尻目に、思った以上に時間がかかることが分かり歩を速める。

「旧道父恋し入り口」の標識が出てきた。
林道から左に入る木の階段がある。
登ってみると、いいお顔の石仏が鎮座していた。

妙見山 石仏

しばらく石仏の横で待つ。
やっと追いついた犬キヨはもうふくらはぎが張ってつらくてしょうがないと言う。

ちっ、仕方がない。
ここで帰るとごねられても面倒なので、優しくふくらはぎのマッサージなんかしてあげる。
なんて優しいわたし。

ホントは騙くらかして連れてきたようで、ちょっと責任を感じてしまったの。
ごめんね、犬キヨ❤

山道を抜けたら、再びさっきの林道に出た。
そこに「母恋し路・父恋し路」の標識が。

                妙見山 看板

『(前出の)姫が川上村に残した二人の姉弟が、後日供を連れて両親の供養をしようと小楢峠にさしかかった。
姉はやさしい峠道を下り(母恋し路)、弟は険しい奇岩の連なる大沢山(父恋し路)を下ったので、誰云うとなく父恋し路・母恋し路というようになった。』
と解説板に書かれている。

が、現実は。
ゼーゼーと苦しそうに喘ぎながら足を引きずっている兄に対して、鼻息荒くシャカシャカ早歩きをする妹。
兄は「父恋し母恋し」というよりは、「湿布恋し車恋し」の状態。

ここから登山道に入れるらしいが、取りあえず引き続き林道を歩くことにする。

それにしても、と思う。
延々と続く林道は、豪雨の影響か、ひび割れたりして、荒れている。
鹿の糞がまとめて落ちている場所があり、動物が道路を横断しているのが分かる。
20メートルほどの高さの山肌をコンクリートで固めているが、ところどころ雑草が生え、崩れかけた雀蜂の巣が見える。
道幅が広く、莫大な費用が掛かったのがうかがえる。

歩き出してかなりの時間が経っているが、今まで出会った車は軽トラ2台だけ。
いったいこの林道は何の意味があるのだろう。

林業に従事される方の為?
雇用を作り、地元にお金を落とすため?

わたしのような門外漢にはわからないが、これからの時代、尾瀬のように自然を維持しつつ、共生するシステムを作って行かないといつか立ちいかなくなるのではなかろうか。

自然のサイクルを壊すことなく、景観や登山者にも配慮した山作り。
年々激しさを増す自然災害に対応でき、管理修復がし易く、費用もそんなに掛からない方法はないのだろうか?

ぼんやりとそんなことを考えているわたしの耳に「オレはもうやぁどぉぉ。(嫌だぁぁ)」という犬キヨの切ない叫びが響いたのでした。


つづく




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気が付いたらキャンプ場をやっていたマキおかんです。

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