伊勢、京都、出雲に行ってきた!(8)

こんにちは。今日も楽しいマキオカです。

明け方、上の階の物音で目が覚める。
どうやら安普請の為、音が筒抜けらしい。

ぼんやりと今日のスケジュールを考えてみる。

ここ二見浦から内宮まで車で20分位かかるから、5時半にロビーで待ち合わせということは、内宮に着けるのはどんなに速くても6時前。
京都行のバスが伊勢市駅7時9分発だから、駅には何としても7時前には着かなきゃならない。
ということは、内宮6時半のバスに乗る必要がある。

荷物を内宮のロッカーに入れてから大急ぎで境内を歩いたとしても、30分で御正宮まで往復できるのだろうか?

むぅ・・。

そんなことを考えていたら、もう5時になってしまった。
急いで息子を起こして支度をし、チェックアウトをしてからロビーで待つ。

5時半に昨日のカップルが現れ、4人で内宮に向かう。
車中で伺ったところによると、このお二人は遷御の儀の為に秋田から来たんだとか。
わたし達と同様、2日に一般人は内宮に入れないのを知らなかったので、急遽「ホテル清海」に泊まることにして、たまたまロビーでわたし達の会話を聞いたらしい。

なんたる偶然。
これぞ神様のお導き。
ありがたや。

今日お参りをしてから秋田に帰るとのこと。
そんな会話をしている内に、車は内宮のそばに到着。
が、内宮近くの駐車場は全て満車になっているので、内宮から離れたところにしか駐車できないことが判明。

ど、どうしよう。

まさかこの状況で「時間がないので内宮前までわたし達だけ連れてって。お願い❤」なんて言える訳もない。

でも。
それでなくても時間がないのに、ここから内宮までは結構な距離・・。

焦る心を鎮めて、とにかく心からお礼を言う。
(この場を借りても言いたいです。本当にありがとうございました。)

車から降りると同時に荷物を引きずりながら、猛ダッシュで走り出す。
おはらい町は早朝というのに大勢の人が歩いている。
その人の波をかき分けて、目の色を変えて走る大荷物を持ったオバサンと顔の濃いオトコ。

やっと宇治橋前に到着。
鳥居の前には、遷宮後の朝の景色と参拝する人々を撮るために、たくさんのマスコミの人達がカメラを構えていた。
どこかのオジサンが嬉しそうに「俺、テレ朝にインタビューされちゃったよ。」と友達に自慢している。

が。
先を急ぐわたし達にとってそんなことはどうでもいい。
衛士見張所に隣接しているコインロッカーに荷物を放り込む。

肩で息を切らし、宇治橋を渡り始めたのが6時過ぎ。
早歩きで玉砂利を蹴散らし、手水舎で口を漱ぐ。

このまま一挙に御正宮に急ごうと思ったら。
息子が「五十鈴川で手を洗い口を漱ぐ」と言い出した。

一瞬わが耳を疑う。

こ、こいつは・・。

この状況ですよ?
ある意味流石だ。
スゴイよ、息子。脱帽だ。

もう逆らう気もしない。
言い争う時間も惜しいんじゃ。

もしかしたら現れるかもしれないこいつの将来の嫁に、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
神妙な面持ちで五十鈴川で口を漱ぐ息子を、遠い目で見るわたし。

戻ってきた息子と一緒に、再び小走りに御正宮に向かう。

はっ、いかん、いかん。
焦るな、わたし。
そんな気持ちじゃせっかくのお参りが台無しになってしまう。
神様にも失礼だし。

大丈夫。
何とか間に合いそう。
歩を止め、深呼吸して静かに歩き出す。

ところが、少し行ったところで、禰宜の方が参拝の人の流れを止めている。

ちょ、ちょっとぉ。
時間がないんですけど。

あれ?
何やら前の方で何かをやっている。

覗いてみると、引っ越しを終えた神様に最初の食事を供える行事が行われている。

              内宮 3日(1)

おお、何だか凄いぞ。
皆さん、正装されて、まるで平安時代のよう。
何やら大きな櫃を運んでいる。

                         大御饌(2)


どうやら「大御饌(おおみけ)」という儀式らしい。

『儀式には、鷹司尚武大宮司ら神職約20人が奉仕。コメや魚介類など神様の食事が入った木製の辛櫃2台を担いで参進し、新社殿前の御贄調舎に入った。』(産経ニュースより)

やっと終わったと思い、進んで行くと、また止められた。
沢山の正装した方による式を奉納して、櫃を御正殿に運び込む。

 大御饌


『御贄調舎の中では、辛櫃を開けて中のアワビを取り出し、切る動作をして塩を振る御贄の儀を行い、再び辛櫃を担いで新正殿の敷地へと続く瑞垣南御門の前にお供えした。』

              
すごいぞ、すごい。
確かにすごいんだけど、わたし達には時間がない。

既に6時20分。

もう無理だったら、この儀式が見れたことに感謝して戻った方がいいかも、と弱気になるわたし。
あぁ・・ここまで来ているのに。

櫃が御正宮に入り、禰宜の方が先導して人々が動き出す。

 大御饌(3)

落ち着け、わたし。

人に気付かれないほどの早歩きで、素早く御正宮に辿り着き参拝。
真新しい御正殿は、凛とした佇まいでわたし達を迎えて下さっている。

ありがたし。

「何事のおはしますをば しらねども かたじけなさに 涙こぼるる」という歌が自然に浮かぶ。
西行が伊勢神宮にお参りした時の歌といわれているけれど、確かにこれほどここでしっくりくる歌は他にない。

まるでコマの早回しのような歩き方で、元来た道を引き返す。
宇治橋を渡り、ロッカーから荷物を取り出しバス停に向かうと、既にバスが来ていた。
大荷物と共に飛び乗るわたしと息子。

「はー・・」と大きなため息をつき、幸運だった今朝の出来事を思い出す。

なんたる幸せ。

後から聞いたところによると、宇治橋前は5時の時点でかなりの人出だったらしい。
でも、もしその時に来ていたら「大御饌」を拝見することはできなかった。

もしあの時、秋田から来たカップルと出会えなかったら。
もしホテルの迎えの車がちょっと遅れていたら。
もし・・。

人生に「もし」はないというけれど、不思議な偶然によって貴重な参拝をさせて頂くことが出来た。
本当にありがとうございました。

朝日に輝く神路山を眺めながら、心から感謝するわたしなのでした。

                内宮 3日(2)


つづく






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